ちょっと、遺品整理とは違う話かもしれませんが・・・
50代くらいの方でしょうか・・・
お父様から、「娘の遺品整理を考えている」というお電話をいただき、
簡単に内容をお伺いする際、「お亡くなりになったのいつですか?」とお聞きしたところ
「娘は生きているのか死んでいるのかも分からない。
だから、死んだものとして遺品整理をお願いしたい」とのこと・・・
おそらく、行方不明なのかとも思い、話のタイミングを見計らって
「そうですか・・・ただ、もしかすると生きている可能性は・・・」とお聞きしたところ、
「あんな娘は知らん!!!!」と、かなりのお怒りのご様子。
聞けば、娘さんはご両親とけんかをして家を飛び出してしまい、
1年ほど音信不通になっているそうです。
お父様も、かなり溜まっていたのか、私に色々と興奮しながらお話いただき
「だから、娘はもう帰ってこない・・・死んだものとしたい」と、
だいぶ興奮も収まりつつ、話し出したので、
「すいません、私が他人様のご家庭のことに意見する立場ではないことは
十重に承知しているのですが・・・
ただ・・・もし、娘さんが戻られたとき、自分の物が整理されていたら、
せっかく帰ってきたのに、また悲しいことにならないでしょうか・・・」
と申し上げたところ、しばらくの沈黙の後に「ああ・・・」と一言だけ仰りました・・・
それぞれのご家庭には、それぞれの事情もあり、
私たちは口を出す立場には無いのですが・・・
さすがに、このケースは口を出さずに入られませんでした。
もし、自分が同じ立場だったら・・・
本当に帰る家も無くなったと感じてしまいますから・・・
※個人の特定を防ぐため、一部内容を変えてフィクションとして書いていますのでご容赦ください。