私達遺品整理社では大型品の運び出しもできる

大型のクレーン付きトラックを保有しているので、

遺品整理の際、大きなピアノの移動や処分にも対応しています。

 

特にピアノは、お子様が成人になって結婚や就職などで家から出た後は、

そのままご実家に残されていることが多く、

ご両親がお亡くなりになられた際、ピアノをどうするかということで、

悩まれる方が多いのも事実です。

 

しかしながら、購入されてから年月を経てしまっており、

ご自身の家に移動するにも置き場所が・・・

そんな理由からピアノを処分されるケースも多いのですが、

想いが篭ったピアノを手放したくない気持ちもあって

決心がなかなかできないケースも多いです。

 

室蘭での遺品整理の際、自動演奏ピアノの処分を頼まれたことがあります。

自動演奏ピアノは、よくホテルなどに置いてあることがありますが、

曲の入ったフロッピーディスクを入れると、ピアノの鍵盤が動いて

自動で演奏してくれるという、なかなか便利な機能が付いたピアノなのですが、

再生だけではなく、自分で演奏した曲も録音することができて、

再生すると、自分が演奏したとおりに鍵盤が動いて演奏してくれるという、

練習にはピッタリな機能もついています。

もともと、仕事でピアノを売っていたことがあるので、ちょっと詳しいんですが・・・(笑)

話を戻します。

ピアノを移動する前に、ピアノ周りを整理していると、

何枚かの何も書かれていないフロッピーディスクが出てきました。

お客様に念のため確認すると、「もしかすると自分が子供の頃に録音したものかもしれない」

とのことだったので、試しに再生してみることにしました。

 

フロッピーディスクを入れると、

ピアノの前に誰かが座って演奏しているかのように鍵盤が動き出し、

たどたどしい指使いで曲を練習している感じが聞いて取れました。

 

しかし・・・曲を聞いてみると・・・

かなり昔の曲で、どう考えても子供が演奏するような曲ではない・・・

 

それを聞いたお客様が

 

「ああ・・・母が生前、練習してたのかもしれません・・・」と、

 

動く鍵盤を見つめながら、ポツリとつぶやきました。

 

 

ピアノはしっかりと、お母様の演奏を記憶し、

まるで、まだ本人が生きていて、そこで最後の演奏を披露しているかのように

鍵盤を動かしていました。

 

※個人の特定を防ぐため、一部内容を変えてフィクションとして書いていますのでご容赦ください。